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絵里「つよくてにゅーげーむ」
その1 その2 その3 その4 その5(終)


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絵里「つよくてにゅーげーむ」 part2
その1 その2 その3 その4 その5(終)


2: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 07:58:54.90 ID:sSbIZiY10
希「現実……?」

にこ「ええ。現実」

にこ「私たちにとって、ここは紛れもない現実の世界よ」

海未「どうしたんですか、2人とも」

凛「なになに?」

にこ「ちょっと気になることがあるから聞いてみただけよ」

花陽「気になること?」

3: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:00:35.89 ID:sSbIZiY10
真姫「でも今は練習中でしょ? 後にしてもいいんじゃない?」

にこ「いや、ずっと引っ掛かってたのよ」

にこ「あんたが見てる夢って何なの?」



にこ「本当にこれ、夢だっていうの?」



希「それは……」

4: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:06:05.67 ID:sSbIZiY10
希(ウチが何度も経験したのは、夢を通しての世界……)

希(でももし……それが夢じゃなかったとしたら)

海未「夢じゃ……ない?」

花陽「そうなの? 希ちゃん」



穂乃果「……そんなに難しく考えなくてもいいんじゃないかなぁ」



希「えっ?」

5: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:09:13.57 ID:sSbIZiY10
穂乃果「もしこの世界が夢だったとしても、私たちがいることには変わりないんでしょ?」

にこ「いや、そういう問題じゃなくて……」

穂乃果「じゃあ聞くよ?」

にこ「え、何をよ」

穂乃果「この世界が本当に夢だったら、にこちゃんはラブライブ優勝を目指すの……諦める?」

にこ「……」

6: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:11:19.68 ID:sSbIZiY10
凛「そんなの決まってるにゃ!」

花陽「うんっ」

真姫「そうね」

にこ「ええ。諦めるはずがないわ」

穂乃果「だよねっ!」

希「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「だから、深く考えても考えなくても一緒なんだよ」

にこ「……ま、そうかもね」

7: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:14:21.19 ID:sSbIZiY10
にこ「悪かったわね、練習止めちゃって。さあ、続きをやりましょう」

海未「……そうですね。今はラブライブへ向けての練習が先です」

花陽「うん、絵里ちゃんとことりちゃんが帰ってくるまで、しっかり練習しないとね」

希「……」

真姫「希、今は……」

希「あ、うん。わかってる」

8: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:17:55.81 ID:sSbIZiY10
希(もしここが夢じゃなかったら、かぁ)

希(夢じゃなければ何になるんかな)

希「現実……とか?」

希(いやいや、まさかそんなはずは……)




『過去に戻れるおまじない、って知ってる?』



希(過去に戻れる……)

9: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/15(月) 08:23:56.18 ID:sSbIZiY10
希(夢だから、何度も繰り返すことができた)

希(夢だから、いろんな方法を試せた)

希(夢だから、知らないものは出て来なかった)

希(でも、最後の1回以外――――――――)




希(夢なのに、思い通りにならなかった)

16: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:17:47.08 ID:fz/9PKuR0
真姫「希」

希「あ、ご、ごめん真姫ちゃん。今集中する――――――――」

真姫「夢って、何なのかしらね」

希「……夢?」

真姫「そう、夢」

真姫「私たちが寝てる間に見るものだけが夢なのかしら?」

17: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:19:24.74 ID:fz/9PKuR0
希「……どういう意味?」

真姫「いや、なんとなくね」

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「だってそうでしょ? 夢って言うのは他にも……」

穂乃果「そうだね。みんなでラブライブ優勝を目指すのも1つの夢だよね」

希「!」

19: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:22:45.72 ID:fz/9PKuR0
凛「そっか、起きてても夢は見るにゃ」

海未「ああ、確かに言われてみればそうですね」

にこ「まるで夢みたい、とかで出てくる夢って意味?」

真姫「そうよ」

希「夢……なるほど、そんな考え、なんで思いつかなかったんやろ」

にこ「あんたは意外と頑固だからね。自分の中で考えてることを中心に物事を考えてない?」

希(……どうやったかな。でも、ウチはそうやって来た……やんな?)

20: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:24:16.24 ID:fz/9PKuR0
希(たった1つの願いをかなえるために、ほとんど同じ方法で何度も繰り返してきた)

希(それは、にこっちたちを信じてなかったわけじゃなくて――――――――)



希(1人でしかできない、って勝手に決めつけてたから?)

21: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:29:31.96 ID:fz/9PKuR0
希「じゃあもしかしてウチは……夢を見てるんじゃなくて――――――――」

にこ「現実の世界で、夢を叶えに来たんじゃないの?」

にこ「夢のような現実を見るために……とか」

海未「夢を、叶えに……?」

凛「なんだかメルヘンチックだね」

希「そ、そんな非科学的な……」

22: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:30:35.70 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「それ、希ちゃんが言うの?」

希「え?」

真姫「そうよ、希ならこう言うじゃない」




『スピリチュアルやろ?』



希「……ああ、そうやね」

23: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:33:13.23 ID:fz/9PKuR0
にこ「でもよくわかんないわね。夢を叶えに、って」

凛「じゃあここはやっぱり現実の世界?」

花陽「そうなるね」

穂乃果「ん? でも、海未ちゃんたちも現実の世界から来てるよね?」

海未「パラレルワールド……」

凛「パラソル?」

穂乃果「なんで傘?」

真姫「2人はあっち行ってなさい」

24: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:35:13.88 ID:fz/9PKuR0
にこ「あー、あれ? 世界は無数に存在するとかなんとかのやつ?」

海未「はい、でも信じられません。実際にパラレルワールドが存在するかどうかなんて……」

穂乃果「そこはほら、希ちゃんのスピリチュアルパワーで」

希「うーん……このおまじないって結構呪術めいたところあるしなぁ」

花陽「ええっ!?」

海未「そ、そうなんですか?」

25: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:37:46.43 ID:fz/9PKuR0
希「だってほら、人の意識に働きかけて夢を見させる……それって完全にオカルトやん?」

海未「……悪魔と契約したような気分です」

花陽「す、すごいことしてたんだぁ……」

凛「へぇー! なんだか漫画やアニメの話みたい!」

にこ「そうね」

海未「はい。眉唾物ですね」

希「あはは、それ前も言ってたなぁ」

海未「ええ。しかしまさかこんなことになっていたなんて……とても信じられませんよ」

26: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:40:43.92 ID:fz/9PKuR0
希「でもそう考えると辻褄が合うなぁ……」

花陽「何かわかったの?」

希「うん。そういう類の話はちょっと聞いたことがあって」

海未「またオカルトですか?」

希「そんな感じ」

穂乃果「希ちゃん、なんでも知ってるんだね」

希「いや、これは誰かから聞いたものなんよ。今はもう、思い出そうとしても思い出せないけど」

27: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:47:58.31 ID:fz/9PKuR0
真姫「何よそれ……記憶障害か何かじゃないの?」

凛「えっ」

希「いや、たぶん違うと思う。たぶんこのおまじないを使ってうろちょろしすぎたから、記憶がすり変わってるんやろうなぁ」

にこ「どういうことよ」

希「人から聞いたことをたくさんの人に教えてるうちに、自分が誰から教えてもらったかがわからなくなってるんよ」

海未「私たちに教えたせいでしょうか……」

希「ううん、それは違う」

希(でもまさかこれが夢じゃなかったなんて……ウチは何で気づかなかったんやろ)

28: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:49:50.19 ID:fz/9PKuR0
希(そういうオカルトの類なら、すぐに結びついたはず……)

希(……やっぱり、どこかで夢と思いたかったんかな)

希(夢ならなかったことにできる)

希(夢なら失敗してもやり直せる)





希(夢なら、あんな風にえりちを悲しませることだってなかった――――――――)

29: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:51:48.45 ID:fz/9PKuR0
にこ「何よ、辛気臭い顔して」

穂乃果「そうだよぉ。そんな顔してると元気が逃げちゃうよ?」

希「ん、そうやね。ありがとう2人とも」

海未「衝撃の事実でしたね」

花陽「うん」

希「海未ちゃん、花陽ちゃん。巻き込んでごめん」

30: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:54:44.91 ID:fz/9PKuR0
海未「何を言っているんですか、希」

花陽「うん、希ちゃんは何か勘違いしてる」

希「え?」

海未「私たちは、自ら望んでこちらへ来たんです」

花陽「だから、希ちゃんだけが気に止む必要はないよ」

希「……」

希「……ありがとう」

希(あぁ……そっか。こんなに近くに味方がいたんやね)

31: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:56:19.19 ID:fz/9PKuR0
凛「あ、かよちんと海未ちゃんが、希ちゃんを泣かせたにゃー」

穂乃果「なんですと!?」

海未「えっ、あ、す、すみません希!」

花陽「ご、ごめんね希ちゃん!」

希「ううん、大丈夫……」

希(あれれ、ウチっていつからこんなに涙もろかったっけ)

32: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 00:59:03.26 ID:fz/9PKuR0
凛「それで希ちゃん、どうするの?」

希「え? どうするって……」

真姫「絵里を現実に引き戻すんでしょ? でもこっちも現実ならどうするのってことよ」

希「あ……」

にこ「ま、どうにかなるでしょ」

海未「にこ、その自信はどこから来るんですか……」

にこ「だってそのおまじないとかいうの、意識に働きかけるんでしょ? ならこっちから絵里の意識に働きかければいいんじゃない」

33: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:00:48.04 ID:fz/9PKuR0
凛「な、なんだかにこちゃんが……」

穂乃果「賢そうなこと言ってる……!?」

凛「裏切り者にゃー!」

穂乃果「であえであえー!」

にこ「ふっ……精神論なら自信あるわ。鋼のメンタルを持つにこにーに死角などなし!」

凛「賢くなさそう」

穂乃果「うん」

にこ「……」

真姫「鋼……」

34: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:03:17.62 ID:fz/9PKuR0
にこ「とにかく! 帰るところへ帰らせればいいんでしょ!」

花陽「ま、まあそういうことになるね」

凛「ずいぶん乱暴じゃない? その言い方だと絵里ちゃんをビンタして起こしそう」

にこ「手段は選ばないわ」

穂乃果「にこちゃんやっぱり悪代官だね」

にこ「違うわよ。アイドルに向かって何言ってるのよ」

希「まあそれはともかくとして、意識に働きかけるのは有効かもね」

35: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:06:22.10 ID:fz/9PKuR0
海未「意識、ですか……確かに気持ちが落ち着かない状態では実力が発揮できませんよね」

穂乃果「あ、海未ちゃんそれ弓道の話?」

海未「ええ、そうですよ。よくわかりましたね」

穂乃果「えへへー、だって幼馴染だから」

希(幼馴染かぁ……そういえば、えりちとにこっちが幼馴染やった夢があったなぁ)

希(……)

希(あれ? そういえばいつから、ウチは誰かを頼って目的を達成しようとしてたんやろ)

36: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:11:28.56 ID:fz/9PKuR0
希(ずっと1人でやってたのに、いつの間にか誰かの手を借りてた……)

希(あれ? いつから?)

希(そういえば成功した時も、μ'sのみんなの力が必要やった……)

希(んん? なんでやったっけ?)


『えりちを助けるために、みんなの力が必要なん』


希(そう、自分自身でウチは、この世界のみんなに声をかけた)

37: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:15:10.51 ID:fz/9PKuR0
希(……どうして?)

穂乃果「どうしたの、希ちゃん」

希「あ、いや、ちょっと考え事」

穂乃果「考え事?」

希「うん。そんなに気にしなくても大丈夫やで」

穂乃果「そっかぁ」

38: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:18:37.08 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「でもやっぱり、何だか雰囲気変わって来るよね」

希「雰囲気?」

穂乃果「そう、μ'sの雰囲気が、ね」

希「え? なんで?」

穂乃果「ほら、絵里ちゃんとことりちゃんがいないとさ」

39: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:19:07.46 ID:fz/9PKuR0





     「何かが足りないって言うか」







40: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:21:48.64 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「そんな気持ちに……」

希「足りない……」

穂乃果「あれ? どうしたの希ちゃん?」

希「……なんでこんな大切なこと、ずっと忘れてたんやろ」

穂乃果「の、希ちゃん!? 大丈夫!?」

にこ「ちょっと、何があったのよ」

穂乃果「希ちゃんが……」



海未「急にどうしたんですか……」





花陽「希ちゃん……」







凛「……」






真姫「……」











41: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:22:58.26 ID:fz/9PKuR0














絵里「希? また生徒会の仕事?」

42: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:24:44.89 ID:fz/9PKuR0
希『うん、多くて大変かなー』

絵里「私も手伝うって言ったじゃない」

希『えりちにはスクールアイドルがあるやろ? それを頑張って』

絵里「むー……でも仕事を押し付けるわけには」

希『ダーメ、いいから練習の続きに行ってきて』

絵里「あ、ちょっと、わかったから! 押さないでってば!」

43: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:26:49.06 ID:fz/9PKuR0




絵里「私、スクールアイドルやめようかな、って……」

希『ええっ!? なんで急に……!』

絵里「急じゃないわ。前々から考えてたのよ」

希『そ、それでも……えりちはアイドル嫌なん?』

絵里「ううん、違う。アイドルは好きよ」

希『それならなんで――――――――』

絵里「わからないわ。でもね……」

44: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:27:20.73 ID:fz/9PKuR0






     「何かが足りない。そんな気がするのよ」





45: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:28:49.27 ID:fz/9PKuR0




穂乃果「……」





海未「……!」








花陽「希ちゃん……」







凛「希ちゃん!」

希「わっ、え、な、何?」

46: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:30:37.70 ID:fz/9PKuR0
真姫「ちょっと、大丈夫なの? 今にも倒れそうだったけど……」

にこ「病院、行った方がいいんじゃないの?」

希(倒れそう……?)

希「いや、大丈夫やって」

花陽「本当? ふらふらしてたよ?」

希「うん、なんでもない」

47: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:31:51.83 ID:fz/9PKuR0
海未「無理は禁物ですよ?」

穂乃果「うんうん、海未ちゃんの言う通りだよ」

希「わかってるよ」

凛「それならいいんだけど……熱とかない?」

希「ないない」

49: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:35:08.37 ID:fz/9PKuR0
希(……このおまじないっていうのは、夢を見るために意識を集中させる)

希(夢じゃなくてパラレルワールドに行くとしたら、おそらく意識だけを飛ばして別の世界に行くって感じかな)

希(それで今、意識が完全にブレたってことは――――――――)





希(誰かがウチに、おまじないをかけてる)

50: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:36:58.24 ID:fz/9PKuR0
希(でもあの視点はウチじゃなかった)




希(あれはえりちの見ていた世界……)



希(えりちがウチに……?)

希(まさかもう、思い出してるん?)

希(それとも――――――――)

51: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:37:45.60 ID:fz/9PKuR0





希(ウチらのいる世界とは、別のえりちの仕業?)






52: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/18(木) 01:40:32.24 ID:fz/9PKuR0
希(このおまじないって、別の人にもできるんかな?)

希(でも一体、どこのパラレルワールドのえりちが……?)

希(……えりち、ウチに何か伝えようとしてるん?)

希(あんな嫌な記憶まで思い出させるなんて……どういうことなんやろ)

63: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:36:40.57 ID:s0FhtB/70





絵里「はぁ、あと1つかぁ……」

絵里(考えてみるとなんだかあっけなかったわね。結構いろんなことも聞けたし)

絵里(それにしても不思議よね、パラレルワールドに行けるなんて)

絵里「おまじない……名前がもっといろいろかっこいい名前だったらよかったのかも」

絵里(思いつかないけど)

64: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:38:29.06 ID:s0FhtB/70
絵里(でも今回は、あれだけ長くいたって感じだったのに6分しか経ってなかった)

絵里「不思議ね……不思議すぎるわ」

絵里「あ、また何か忘れてないかしら。メモメモ……」

絵里(ことりのいない間は、ダンスレッスンの後にメモをまとめる……なんだか日課ぽくなってきた)

65: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:42:56.87 ID:s0FhtB/70
絵里「あの世界の私は、にこと遊ぶための時間を確保するため、生徒会の仕事の先読みをしようとした……」

絵里「でも行った先の世界が楽しすぎて、帰り方を忘れてしまった」

絵里(そんなことがあるのよね。気を付けなくちゃ)

絵里「それで無理やり帰ろうとして、たどり着いたのがここだった、ってわけね」

絵里(……そう考えると変ね。何で私たちはここに集まったのかしら)

66: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:45:46.84 ID:s0FhtB/70
絵里「他の私とは話せなかったけど、普通に考えてみるとおかしいわよね?」

絵里「……また謎が深まったわ」

絵里(また後で聞いてみようかしら。長くなっちゃいそうだから明日辺りにでも……)

絵里「あれ、今回忘れてること……何もない?」

絵里「やった! これでもう、手掛かりを得ても忘れることはないわね」

絵里(まあ向こうの私のインパクトが強すぎたせいもあるんだろうけど……)

67: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:47:43.98 ID:s0FhtB/70
絵里「まあそれは置いとくとして」

絵里「あと、一貫しておかしかったところがあるとすれば……」

絵里(希の行動、よね)

絵里「何かにつけて希の行動がすべて違ってた」

絵里「生徒会の仕事を1人でやろうとしたり、何より――――――――」



絵里「μ'sに入っていなかった」

68: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:50:14.68 ID:s0FhtB/70
絵里「オカルト研究部にいた希は憑依された、とか言ってたわよね?」

絵里「それって……やっぱり希がおまじないを使った、ってこと?」

絵里(うん、たぶんそれに違いない)

絵里(でも……)

絵里「どこの世界の希が使ったのかしら……それがわかればいろいろわかると思うんだけど」

絵里「……難しいこと考えてたらお腹すいてきた……パン食べよう」

絵里(……はっ! あっちの私っぽくなってる!?)

69: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/19(金) 00:51:08.77 ID:s0FhtB/70

短いけどここまで
おまじない→希 の結びつきができたので、解決に1歩近づいたよ

76: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:17:15.98 ID:HtCNulJj0



にこ「今日の練習はここまでにしましょう」

希「え、もう?」

にこ「あんまり根を詰めすぎてもよくないわ」

花陽「そうだね」

凛「にこちゃんなんだか部長みたいにゃ」

にこ「部長なんだけど」

77: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:19:57.79 ID:HtCNulJj0
穂乃果「これからどうしよっか。みんなでどこか行く?」

真姫「穂乃果、それ休憩になってないわよ」

穂乃果「えー、ダメ?」

花陽「わ、私はどこか行きたい……かなぁ?」

凛「はーい! けってーい! かよちんの意志を尊重します」

花陽「ええっ!?」

78: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:22:03.19 ID:HtCNulJj0
にこ「まあそれくらいいいでしょ。現実だってわかったわけだし」

穂乃果「にこちゃんのおごり?」

にこ「にこにーアタック食らわせるわよ」

海未「物理的ですね」

花陽「新しい技なの!?」

にこ「え、いや、単なる思い付き……」

希(花陽ちゃんの食いつきすごいなぁ……アイドルの決めポーズだから?)

79: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:23:26.46 ID:HtCNulJj0
穂乃果「穂乃果もそんな技ほしい」

凛「ほのほのアタック?」

穂乃果「ほのほのほのほの」

凛「りんりんりんりん」

真姫「何言ってるのよ」

凛「ほら、真姫ちゃんも一緒に」

穂乃果「はやくはやく」

真姫「え、ええっ」

80: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:24:50.22 ID:HtCNulJj0
にこ「最近できたファミレスでいいでしょ」

海未「そうですね」

花陽「うんっ」

にこ「ほら、行くわよ――――――――」

真姫「ま、まきまき……」

にこ「……あんた何やってんの」

真姫「」

希(真姫ちゃん……)

81: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:26:48.71 ID:HtCNulJj0




にこ「どっちだっけ」

穂乃果「その角を右に曲がるの」

凛「あれ? 左じゃなかったかにゃー?」

海未「間をとってまっすぐ進みましょう」

真姫「間とったら一生つかないわよ」

希「みんな楽しそうやなぁ」

花陽「……ねぇ、希ちゃん」

希「んー?」

82: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:30:43.93 ID:HtCNulJj0
花陽「希ちゃんたちって、A-RISEの演説は聞き取れなかったんでしょ?」

希「うん、まあそうやね。存在自体が曖昧やったから」

花陽「……今、この道って初めて通るよね? 希ちゃんは道、見えてるの?」

希「!」

希(そういえば……あれ?)

希(確かにこんな道、通ったことない。ってことは――――――――)

希「いや、今は現実……やね」

83: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:34:38.44 ID:HtCNulJj0
希「……現実」

希(まさか、夢じゃなくて現実って意識したから、こんな風に景色がはっきりと……)

希「あ……!」



『あ、ご、ごめんなさいっ! 現実です!』



『ねぇ花陽、最後にもう1度だけ確認させて』

『夢じゃないよ。ここは現実』

『そうよね……うん、もう大丈夫』

84: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:36:03.65 ID:HtCNulJj0
希「そんな……そんな簡単なことやったなんて……」

花陽「え、ど、どうしたの希ちゃん!?」

真姫「何!?」

凛「希ちゃん!?」

希「あ、ごめんごめん。ちょっと拍子抜けしただけで……」

穂乃果「そう? ならいいけど……」

希(意識って大切なんやね……はぁ)

85: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:37:43.52 ID:HtCNulJj0
希「花陽ちゃん」

花陽「な、なに?」

希「自分がにこっちを奮い立たせるために、なんて言ってた?」

花陽「え? それは……ここは夢じゃなくて現実だ、って」

花陽「……ええっ!?」

海未「今度はどうしました!?」

にこ「なんなのよもー!?」

希「ごめんごめん」

86: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:40:03.03 ID:HtCNulJj0
花陽「そ、それで? それだけで?」

希「たぶんそのせいで、花陽ちゃんの意識がいつの間にかすり替わってたんやろうなぁ……」

希「この世界が現実って思えるように」

希(言霊ってやつ? それなら、よく知らないはずのA-RISEの演説を聞けたって言うのも納得できる)

希(つくづく信じられないことばっかり起こる……うーん、おまじないっていうのも間違ってないなぁ)

87: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:43:09.43 ID:HtCNulJj0
花陽「……それなら絵里ちゃんも、そう思ってたりするのかな」

希「え?」

花陽「絵里ちゃんも、こっちの世界が現実だって理解してたら……パリの街並みとかがわかるのかも」

希「うーん……どうやろ。えりち、ちゃんと意識保ってるんかなぁ?」

希(これだけ長くこっちにいたら、もうとっくに現実とか夢とかの垣根を忘れてるような気もするけど)

希「メールでもして聞いてみる? パリの街並みはどうですか、って」

花陽「うん。やってみる価値はあるよ」

88: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:45:41.07 ID:HtCNulJj0
花陽「希ちゃん」

希「ん?」

花陽「それでもし、絵里ちゃんがきちんとパリが見えてたら……」

希「……どこで気付いたか、やね」

花陽「うん」

希(でもそれなら普通に帰ってこられるような気もするけど……)

希(いや、もしかすると、気付いた上でこっちを自分のいるべき場所って勘違いしてるかも)

希(もしそうなったとしたら……えりちをかどわかす元凶は一体――――――――)

89: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:48:13.58 ID:HtCNulJj0
海未「あ、2人とも、見えてきましたよ」

凛「本当にまっすぐだったなんて……」

穂乃果「海未ちゃんすごい!」

海未「それほどでもありませんよ」

真姫「……ん? あそこにいるのって……」

にこ「!」

90: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:50:19.11 ID:HtCNulJj0
希「あれ、にこっちどうしたん?」

にこ「あのシルエットは……見間違えるはずもないわ」

花陽「え……ああっ!」

凛「か、かよちんまで?」

海未「どうしたと言うんですか」

にこ「あのにじみ出るオーラ……」

花陽「誇り高い強者の風格……」

91: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 00:54:10.05 ID:HtCNulJj0
希「ん? あれって……」




ツバサ「……あら? あなたたち、μ'sの――――――――」




にこ「サインください!」

花陽「あ、握手してください!」

希(な、なるほど……A-RISEの綺羅さん)

海未「……ああ、A-RISEの方ですね」

凛「わー! こんなところで会えるなんて! ついでにサインください!」

真姫「ついで、って何よ」

95: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:33:08.25 ID:HtCNulJj0



ツバサ「絢瀬さんと南さんが海外留学してるって話、本当なの?」

凛「そうだよー。もうちょっとで帰って来るけどね」

海未「綺羅さん、ドリンクは何にしますか? 私、とってきますよ」

穂乃果「穂乃果はオレンジー!」

真姫「カフェオレがいいわ」

ツバサ「私はメロンソーダでお願い。あとツバサって呼んでくれて構わないわ」

穂乃果「ツバサさん?」

ツバサ「ええ、高坂さん」

96: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:35:24.70 ID:HtCNulJj0
穂乃果「えー、穂乃果は穂乃果でいいよぉ」

凛「凛も、凛って呼んでほしいにゃ」

ツバサ「あら、そう?」

希(ずいぶんフレンドリーやね……)

希「それに比べてこっちは……」

花陽「にこちゃん、ライスにする? ご飯にする?」

にこ「フィッシュにしましょう」

希「……まあ仕方ないか」

97: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:37:47.50 ID:HtCNulJj0
にこ「ていうかあんたたち! どうしてそんなに馴れ馴れしいのよ!」

穂乃果「え? だってスピーチの後、仲良くしようって言ってくれたよ?」

ツバサ「そうね。同じラブライブの出場グループとして、仲良くやりたいものだわ」

凛「ほらー。にこちゃん聞いてなかったの?」

希「ウチと海未ちゃんはともかく、2人は聞こえてたんやろ?」

にこ「いや、もうA-RISEの3人が近づいてきただけで……」

花陽「意識がもうろうと……」

希(なるほど)

98: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:39:16.81 ID:HtCNulJj0
ツバサ「2人はなんて呼べばいいかしら」

穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃん!」

ツバサ「にこさん、花陽さん」

にこ「」

花陽「」

穂乃果「あれ、2人とも固まっちゃった」

真姫「相当憧れてたんでしょ」

ツバサ「あら、うれしい」

99: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:41:39.13 ID:HtCNulJj0
花陽「だだ、だって、あのA-RISEのツバサさんと一緒にお食事だよ!?」

にこ「この店で1番いいものを頼まないと……!」

真姫「落ち着きなさいよ2人とも」

凛「1番高いのって、この厚切りステーキだよ? ツバサさん食べられる?」

ツバサ「今はそんなに入らないかも」

にこ「ど、どうすれば……」

花陽「あ、あれ? フォークってどっちの手で持つんだっけ?」

100: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:44:36.53 ID:HtCNulJj0
ツバサ「ふふっ」

にこ「!?」

花陽「お、お見苦しいところを……!」

ツバサ「いや、楽しいと思ってね」

穂乃果「楽しい?」

ツバサ「ええ、みんな仲が良くて、2人もメンバーがいなくたってしっかり機能してる」

ツバサ「素敵なグループね。μ'sって」

希「ありがとうございます」

ツバサ「そんなにかしこまらないで。私、そういうのは苦手なのよ」

にこ「困った」

花陽「困ったね」

ツバサ「ふふ」

101: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:46:56.99 ID:HtCNulJj0
海未「飲み物、持ってきましたよ」

真姫「ん、ありがとう」

穂乃果「ありがとう海未ちゃん」

凛「海未ちゃんえらいえらい」

ツバサ「海未さんはいつもそういうポジションなの?」

海未「え? いや、ただ席が通路側だったので」

ツバサ「そうなの」

海未「はい。にこも通路側ですが、かなり緊張しているようなので」

にこ「こ、コラ!」

ツバサ「緊張……ね」

102: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 18:49:00.41 ID:HtCNulJj0
ツバサ「あなたたちは緊張、しないの?」

希「緊張……?」

にこ「ラブライブ出場に対して、ですか?」

ツバサ「ええ。人前で踊ること、歌うことについてよ」

花陽「……緊張」

凛「緊張かぁ……あんまり気にしてなかったね」

ツバサ「え?」

103: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 19:55:38.19 ID:HtCNulJj0
真姫「そうね」

海未「はい。あまり考えていませんね」

ツバサ「それは……どうしてかしら?」

穂乃果「何でかなぁ? 希ちゃん、わかる?」

希「うーん……たぶん、精一杯だから?」

ツバサ「精一杯?」

花陽「はい。みんなで歌って踊って……もう頭の中がいっぱいになります」

凛「うんうん。緊張は確かにするけど、すっごく楽しいから!」

104: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 19:58:00.50 ID:HtCNulJj0
ツバサ「……本当に素敵ね」

穂乃果「ツバサさん?」

ツバサ「どうしたらそんなに仲良くなれるの? ねぇねぇ」

真姫「えっ、ちょ、近っ」

にこ「あんた文句言うなら変わりなさいよ!」

ツバサ「たった3人なのに一緒にいられる時間が取れないのよ、どうしたらいいと思う?」

海未「え、ええっ?」

希(あれー? ツバサさんってこういうキャラやったん?)

105: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:09:19.63 ID:HtCNulJj0




ツバサ「ありがとう、色々参考になったわ」

穂乃果「こちらこそ! 楽しかったよー!」

ツバサ「本戦では、お互いが悔いのないように頑張りましょう」

にこ「はいっ!」

花陽「よろしくお願いします!」

真姫「……あんな人だったのね」

希(竜巻みたいな人やったなぁ……)

106: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:10:24.19 ID:HtCNulJj0
ツバサ「あ、そうそう。1つ聞きたいことがあったんだけど」

凛「なに?」




ツバサ「μ'sって、誰が考えた名前なの?」

108: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:17:53.35 ID:HtCNulJj0
海未「ああ、それは……」

花陽「考えたのは……」

希「あ、ウチが――――――――」




『希、ミューズって知ってる?』

『石鹸?』

『違うわよ。音楽とかの……そうね、芸術の神様のこと』

『へー』




希「……ウチが考えたん……やんな?」

109: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:19:46.91 ID:HtCNulJj0
にこ「何で疑問形なのよ。そうでしょ?」

穂乃果「うんうん。希ちゃんが決めたんだよね」



『ミューズかぁ……なんか強そうやね』

『いやいや、そうじゃなくて』

『?』


凛「うん、希ちゃんが名前をつけたんでしょ?」

希「……?」

110: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:23:59.02 ID:HtCNulJj0
ツバサ「そうなのね。それってやっぱり――――――――」


『私たちスクールアイドルでしょ? だから、それにちなんだ名前が必要じゃない』

『ああ、そうやね。いつまでたってもスクールアイドルグループじゃかっこ悪いし』

『だからそこでこの名前よ。ミューズ、それは――――――――』




希「9人の歌の女神にちなんで……」

ツバサ「あ、やっぱり」

111: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/23(火) 20:27:04.47 ID:HtCNulJj0
ツバサ「ふふ、教えてくれてありがとう。それじゃ、またね」

海未「はい」

花陽「また本戦で!」

希「……」




希(さっきの、一体いつの……)

希(そういえばウチは、いつから……μ'sって名前をつけたん?)

116: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:36:12.99 ID:Bf0hT0fS0




絵里「……」

絵里(ことりから遅くなるってメールが来た)

絵里(ダンスの練習も終わった)

絵里(……よし)

絵里「おやすみなさーい」

絵里(これが最後なんだから、早めに終わらせるに越したことはないわね)

117: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:37:46.36 ID:Bf0hT0fS0
絵里「……」

絵里「…………」

絵里(眠れないっ……!)

絵里(そんな、どうして!?)

絵里「うーん、早く寝ないといけないのに……」

絵里(そうだ、羊を数えてみようかしら)

118: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:39:29.27 ID:Bf0hT0fS0
絵里(ひつじがいっぴき)

絵里(ひつじがにひき)

絵里(ひつじがさんびき……)

絵里(……ん? 羊って数え方、匹であってるの?)

絵里(動物って何頭とかいう時あるし……)

絵里(困ったわ。眼が冴えてきた)

119: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:41:57.90 ID:Bf0hT0fS0
絵里「でもよく考えたら、日ごろたくさん寝るようになったからね……その反動が来てるのかしら」

絵里(仕事しなくていいっていいわよね。面倒な書類もないし、ずっとごろごろしてられるし)

絵里(……い、いけない! このままじゃニートになってしまう!)

絵里「日本のみんなは元気かしら……あんまり連絡来ないけど」

絵里「……みんなに会いたい」

絵里(いや、こう考えるのはよくないわね。向こうの世界の居心地のよさを忘れられなくなりそう)

120: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:44:32.14 ID:Bf0hT0fS0
絵里「私は後悔なんてしない」

絵里「みんなと離れている時間も、いつかきっといい思い出になる」

絵里(……なんちゃって)

絵里(うぅ、なんだかポエムみたい)

絵里「あああ、なんか思い出すだけで恥ずかしくなってきた……」

絵里「穴があったら入りたい……あ、もうベッドでいいわね」

121: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:46:30.97 ID:Bf0hT0fS0
絵里「うー……この部屋に監視カメラとかあったらどうしよ」

絵里(普段はこんなこと言わないのに……考えもしないのに)

絵里「うー、意識すればするほど思い出しちゃう……」

絵里(そうだ、無心、無心よ。何も考えなければ大丈夫だわ)

絵里(……)

絵里「……」

絵里(ベッドふかふか……)

122: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:51:49.56 ID:Bf0hT0fS0





絵里「うわっ!? ね、寝てた……」

絵里(ってあれ? ここ、部室?)

絵里「あ、もう別の世界なのね」

絵里(……まず目に入るこれ。何なのかしら、この積まれた板チョコは)

絵里「ん? メモが置いてある……おまじない?」

絵里(ああ、これがこっちの世界のおまじないのやり方なのね)

123: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:54:43.09 ID:Bf0hT0fS0
絵里(そういえば、誰もいないってパターンは初めてかも……)

絵里「静かね。今何時なのかしら」

絵里「……ええっ!? 下校時刻とっくに過ぎてるじゃない!」

絵里「は、早く帰らないと!」

絵里(生徒会長なのに校則を破るなんて、そんなことできないわ!)

絵里(えっと、帰り道は……とりあえずいつも通りで帰りましょう)

124: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:57:28.32 ID:Bf0hT0fS0
絵里「靴はこっちに……」

絵里「うわぁ!? な、何!?」

絵里(ロッカー開けたらいっぱい落ちてきた……)

絵里(……なにこれ。手紙?)

絵里(ああ、ファンレターの類ね。拾わないと……)

絵里「よし、早く帰らないと」

125: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 00:59:21.41 ID:Bf0hT0fS0




絵里「ただいまー!」

亜里沙「おかえりお姉ちゃん。遅かったね」

絵里「亜里沙はいるのね。うん」

亜里沙「?」

絵里「亜里沙、私たちは何人姉妹?」

亜里沙「2人だよ?」

絵里「うん。そうよね」

絵里(ここは変わってないみたいね)

126: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:01:48.85 ID:Bf0hT0fS0
亜里沙「お姉ちゃん、へんなのー」

絵里「あはは」

亜里沙「あ、今日はお姉ちゃんの好きなボルシチだよ」

絵里「わ、本当!?」

亜里沙「うん。お母さんが作ってくれたの」

絵里(わー、ボルシチねぇ……お腹すいてきた)

127: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:03:57.55 ID:Bf0hT0fS0
絵里「とりあえず、部屋に鞄、置いてくるわ」

亜里沙「うん」

絵里(ボルシチ食べたかったのよね……今は私の体は寝てるけど)

絵里(部屋は……こっちね。うん、変わってない)

絵里「……あれ? 私の部屋、ちょっと変ね」

絵里(アイドルのポスターなんて飾ってたっけ?)

128: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:06:14.56 ID:Bf0hT0fS0
絵里「それにこれって――――――――」



絵里(μ'sのみんなと撮った写真!?)

絵里(希もちゃんと写ってる……!)



絵里「……もしかしてここ、私が希の説得に成功した世界なのかしら?」

129: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:08:08.48 ID:Bf0hT0fS0
絵里「ふふ、やっぱりμ'sはこうでなくちゃね」

絵里(なんだ、幸先良いじゃないの)

絵里「まあちゃんと、希には会ってみなくちゃいけないけど……」

絵里「あ、お弁当箱出さなきゃ」

絵里(たぶん今日もいつも通りの学校なら、お弁当箱があるはずよね)

130: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:11:10.58 ID:Bf0hT0fS0
絵里「あれ、何か入ってる……」

絵里(ノート、よね? でも表紙の文字が私の字じゃない)

絵里「誰かのを間違えて持って帰って来ちゃったのかしら……」

絵里「……ん? 今の表紙の教科の名前――――――――」

絵里(明らかに教科名じゃなかったわよね? いったい誰の……)

絵里「なになに?」





絵里「School idol diary?」

131: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/25(木) 01:11:59.29 ID:Bf0hT0fS0

ここまで
通りすがりのスクールアイドルが訪れた最後の世界はSIDの世界!

145: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/27(土) 23:54:41.19 ID:G/iVvQ8x0




絵里「……ふむ」

絵里「……なるほど」

絵里「……ふふ」

絵里(この世界では、みんな楽しそうにしてたのね)

絵里(望んだ未来の形、って感じかしら?)

絵里「えっ、真姫って自転車乗れなかったんだ」

絵里「ことりもボランティアしてるみたいだし……結構知らないところがあるのね」

146: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/27(土) 23:59:05.34 ID:G/iVvQ8x0
絵里「海未のお姉さんって私に似てるんだ……へぇ」

絵里(ん、私の番はどこなのかしら)

絵里「あ、これね」

絵里「……」

絵里「……う」

絵里(ちょっと恥ずかしいかも……)

147: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:00:58.43 ID:SZ/X7FSN0
絵里「でもこれ、いいわね」

絵里(私が考えたのかしら? それとも誰かが?)



『叶え、私たちの夢』



絵里「ふふ、日本に戻ったらみんなに教えてあげなくちゃ」

148: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:03:10.00 ID:SZ/X7FSN0
絵里「……ふわぁ。結局全部読んじゃったわね」

絵里「今何時――――――――」

絵里「えっ」

絵里(よ、4時半!?)

絵里「ああっ、こんなに夜更かししてたら……早く寝なきゃ明日は学校が……!」

絵里「……って、今日金曜日じゃない」

絵里(いや、もう昨日ね)

149: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:05:04.64 ID:SZ/X7FSN0
絵里(夜更かしはお肌の大敵! だけど今日くらいは……良いわよね?)

絵里「でもちょっと夜更かししすぎたわね……あれ?」

絵里「今日のお当番、絢瀬絵里――――――――」

絵里(な、何か書かなきゃ!)

絵里(でも何やったかわからない)

絵里「うぅ、明日誰かに聞かないと……」

150: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:07:48.03 ID:SZ/X7FSN0
絵里「誰に聞こうかしら……やっぱり希?」

絵里(でも遊ぶ予定とかしてないわよね)

絵里「あ、携帯のメールとか見れば色々わかるかも」

絵里「んーと……あった!」

絵里(12時半に希の家に……あ、ちゃんと約束してるのね)

絵里「希の家、場所が変わってないといいけど……まあ今日は寝ましょう」

151: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:12:46.96 ID:SZ/X7FSN0
――――――――

絵里「……んん、朝……?」

絵里(最近普通に寝てなかったから、起きるの変な感じ)

絵里「良く寝た……っていうか夜更かししすぎ――――――――」

絵里「あれ?」

152: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:13:57.84 ID:SZ/X7FSN0
絵里「なんで……」



絵里「希に海未に花陽……なんでこんなところで寝てるの?」




希「……」

海未「……」

花陽「……」

153: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:15:45.83 ID:SZ/X7FSN0
絵里「寝てる……おーい」

希「……えりち」

絵里「私はここにいるわよ?」

海未「絵里……」

花陽「絵里ちゃん……」

絵里(なんでみんな私の名前を……夢の中で私はどんなことしてるのかしら)

絵里「……って、おかしいわね。もしかして、夢?」

154: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:18:05.98 ID:SZ/X7FSN0
絵里「うーん……変な夢」

――――――――ああ、やっぱり自分で気が付かなきゃ意味がないのね――――――――

絵里「あ、私? どこにいるの?」

絵里「もしかして……別の世界に飛んじゃったとか?」

――――――――いいえ、気にしないで。さあ、もう起きなさい――――――――

絵里「え、もうそんな時間なの?」




絵里「そういえばそんな気も……」







絵里「なんだか、眠く――――――――」

155: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:19:31.51 ID:SZ/X7FSN0



絵里「……う」

絵里(明るい……)

絵里「だれもいない……わよね」

絵里「今何時かしら……」

絵里「……」

絵里「5時……」

絵里(2度寝したい。でも起きられる自信がない)

絵里「よし、起きましょう」

156: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:21:22.54 ID:SZ/X7FSN0
絵里「んー、それにしてもなんだったのかしら。あの夢」

絵里「すごく懐かしいような……そんな気がしたけど」

絵里(でもただの夢なら夢なのよね。希たちが私の部屋にいるわけないし)

絵里「はぁ、シャワーでも浴びようかしら」

絵里「……ねむい」

157: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/28(日) 00:23:32.00 ID:SZ/X7FSN0

ここまで
一旦元の元の世界に帰ってきたよ
SID編はこれからが本番です(短いと思うけど)

要望が多かったので、以前やった、にこ幼馴染・希後輩ワールドのスピンオフ(そんなに長くない)をやろうと思います
やるなら別スレがいいかな?

163: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:04:24.75 ID:7W/oeCNr0




絵里「まだ7時……」

絵里(暇だわ)

絵里「このままだと寝ちゃいそうだし……そうだ、散歩にでも行こうかしら」

絵里「亜里沙、起きてる?」

亜里沙「……」

絵里「ふふ、やっぱり寝てるわね」

絵里(書置きでも残しておきましょう)

絵里「行ってきまーす」

164: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:07:44.96 ID:7W/oeCNr0
絵里「……あれ?」

絵里(私の家ってこんなところにあったっけ?)

絵里「何だか景色が違うような……んん?」

ことり「あっ、絵里ちゃんだぁ♪」

絵里「あ、ことり!」

海未「ああ、絵里ですか。おはようございます」

絵里「ええ、おはよう」

165: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:10:15.87 ID:7W/oeCNr0
海未「絵里、寝癖がついていますよ」

絵里「え」

ことり「そんな絵里ちゃんもかわいいっ!」

絵里「えー、そう?」

海未「クスクス……早く行かなければならないのではありませんか?」

ことり「あ、そうだった~! すっかり忘れちゃってたみたいっ」

ことり「絵里ちゃんも一緒に来る?」

絵里「へ? どこに?」

海未「商店街まで、ですよ」

166: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:13:28.61 ID:7W/oeCNr0




ことり「こ、これ! 海未ちゃんっ!!」

海未「これですか」

絵里(2人はさっきから何をしてるのかしら)

絵里(というか私はどうして朝からこんなところに連れてこられたのかしら)

ことり「い、いくよ!」

海未「はい、頑張ってくださいっ!」

絵里(……何かしら。ガチャガチャ?)

167: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:15:13.24 ID:7W/oeCNr0
ことり「えーいっ!」

海未「ど、どうですか!?」

ことり「これは……」

海未「これは……?」

ことり「ハズレだよぉぉ……すんすん」

海未「残念でしたね、ことり。また明日挑戦しましょう」

ことり「うん……」

絵里「あのー、2人は何をしてるの?」


168: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:18:34.62 ID:7W/oeCNr0
ことり「カプセルトイ集めだよぉ」

絵里(……あ! ダイアリーに書いてあったやつね!)

海未「私はその付き添いです。終わったら稽古がありますので」

絵里「ああ、日舞とか剣道とか弓道とか」

海未「1日ですべてをやるわけではありませんよ?」

ことり「でもでも、海未ちゃんの袴姿……素敵なんだよねぇ♪」

海未「こ、ことり! あれはそういうコスプレなどではなくて……」

ことり「フフ、知ってるよ」

絵里(な、なんだかおかしい! 若者のノリというかなんというか……)

絵里(って、私も若者だけど!)

169: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:21:41.29 ID:7W/oeCNr0
絵里(なんだろ……このフレッシュさが私には足りない気がする)

絵里(どうしてかしら……どこが違うのかしら)

海未「絵里、これから予定はありますか?」

絵里「あ、お昼からね」

ことり「そっかぁ、今日は絵里ちゃんにもついてきてもらおうかと思ったんだけどざーんねんっ。また今度にしようね♪」

海未「ええ、そうですね♪」

絵里(よくわからないけど……)

絵里「そうするわ。ええ」

絵里(何故か私の返事だけが浮いて見えるような気がする……ショック)

170: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:23:48.95 ID:7W/oeCNr0




絵里「……はぁ」

絵里(若さとは何かについて考えさせられる1日だわ)

絵里(ん? そういえばことり、結局どこに行く気だったのかしら)

凛「あー! 絵里ちゃんニャ!」

絵里「あら凛。奇遇ね」

凛「キグーだね」

絵里(意味わかってなさそう)

171: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:26:01.39 ID:7W/oeCNr0
凛「絵里ちゃんは何してたの?」

絵里「散歩よ」

凛「……たのしいの?」

絵里「普通……かしら」

絵里「じゃあ凛は何してたの?」

凛「これから真姫ちゃんのお家にレッツゴーニャ☆」

凛「そーだ! 絵里ちゃんもおいでよっ!」

絵里「え、ちょ、ええええ!?」

絵里(な、、なんで私、こんなに連れ去られてばっかりなの!?)

172: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:28:46.19 ID:7W/oeCNr0
にこ「あ、もしかしてそこにいるのって……ズバリ! 凛ちゃんに絵里ちゃんね!」

凛「あれ? ニコちゃん?」

絵里(あ、私の知らないタイプのにこね)

絵里「にこは何してたの」

にこ「それはヒ・ミ・ツ♪」

絵里(むむむ)

にこ「ニコは今日、ちょーっと忙しいからまた今度ねっ! バイバイニコー!」

凛「あ、行っちゃった」

絵里(この世界の人間は風のように去るのが普通なのね)

173: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:31:45.86 ID:7W/oeCNr0
凛「ついたー! ここが真姫ちゃんのお家っ☆」

絵里(このあたりは一緒なのね)

絵里「ていうか、遊ぶにはちょっと早すぎない? まだ8時回ってないけど……」

凛「朝から一緒にいる方が、ず~っと長く遊べない?」

絵里(おお、夏休みの小学生みたいなこと言ってる)

絵里「でも確かにそれは一理あるわ」

凛「でしょ~? 楽しい時間はいーっぱい、あればあるほど楽しいニャ!」

174: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:35:08.94 ID:7W/oeCNr0
絵里「楽しくない時間は?」

凛「あー、ダメダメ。凛は今プライベートだから、そういうお話は聞こえなーい」

絵里「ふふ、何それ」

凛「ニコちゃんが言ってたんだぁ~☆ こういう返し方をするとアイドルっぽいって!」

絵里(にこがねぇ……そういうところはあんまり変わってない、と)

凛「もう真姫ちゃん起きてるかな?」

絵里「え、今から来るって言ってないの!?」

凛「ドッキリも楽しい時間の1つだからねっ!」

絵里(凛、あなた清々しいまでに一直線ね。その姿勢素敵だわ)

175: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:38:28.31 ID:7W/oeCNr0
絵里「でもそれはそれ、これはこれよ。急に来られたって困るでしょ」

凛「凛は大歓迎ニャ♪」

絵里「おへそ出して布団蹴飛ばしてる姿見られても?」

凛「う」

絵里「ぼさぼさの髪の毛に、ヨダレの跡があったとしても?」

凛「ご、ごめんなさーいっ!!」

絵里「素直でよろしい」


176: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:40:41.68 ID:7W/oeCNr0
絵里「……そういえば花陽は?」

凛「かよちん?」

絵里「うん。あなたたちいつも一緒にいるでしょ?」

凛「かよちんは今、朝ごはん食べてるよ」

絵里「ええっ」

凛「だからジャマしないようにーって、かよちんに内緒で出てきたの」

凛「朝ごはん食べてる時のかよちん、すごく幸せそうだもん」

絵里(真姫のことも考えてあげて)

177: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:43:37.86 ID:7W/oeCNr0
絵里「凛は朝ごはん、食べたの?」

凛「うん! えーっと、あんまりお腹に溜まらないコーンフレーク」

絵里「ダメじゃない」

凛「ほんとだ! ど、どうしよう。真姫ちゃんのお家でお腹がぐーって鳴ったりしたら、恥ずかしくて死んじゃうかもニャ……」

絵里(やっぱり、そういうところは気にするんだ)

凛「ラーメン食べなきゃ」

絵里「その使命感はどこから来たのよ」

178: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:47:04.52 ID:7W/oeCNr0
凛「ええっ!? 凛の命のミナトモ、ラーメンさまさまだよぉ」

絵里「みなもと、源よ」

凛「あれれ、凛ってばカンチガイ?」

絵里「ええ」

凛「恥ずかしいニャ」

絵里「ふふっ、そうね」

凛「このことは内緒だよ? みんなに言ったら……」

絵里「言ったら?」

凛「絵里ちゃんは5日間、ラーメン禁止の刑!!」

絵里(いたくもかゆくもない)

179: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:49:30.98 ID:7W/oeCNr0
凛「それじゃ、凛は朝ごはん食べに帰るねっ」

絵里「気を付けてね」

凛「はーい……あ! にゃんこちゃん!」

絵里「言ったそばから!」

凛「おおっとぉ。気を付けて触らないとビックリしちゃうよね♪」

絵里「そういう意味じゃないけど……まあいいか」

絵里(にしても、恐ろしい脊髄反射ね)

絵里(私、ちゃんと昼まで持つかしら)

180: ◆eyH5F3DPSk 2014/09/29(月) 00:50:09.19 ID:7W/oeCNr0

ここまで
ハートが出ないのねー






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